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結納について
結納について
結納(ゆいのう)とは、結婚の確約に伴なう儀式の一つで、婚約式とも言います。
婚姻により両家が親類(親族)となり「結」びつくことを祝い、贈り物を「納」め合う儀式で、一般的には新郎家から、新婦家へ、結納の品を納めます。
本来は帯や着物地などに縁起物を添えて贈りますが、現代では帯や着物の代わりに金子包み(結納金・結納金を帯地料・小袖料などというのはこの名残り)を贈ります。
結納は通常、公の場でなされることはなく、両家の間の私的な儀式ですが、結納により「結婚をします」という約束を正式に交わしたことになります。
形式は小笠原流、伊勢流などの礼法によって体系化されていますが、冠婚葬祭を含むその他の儀礼と同様に個人の考えや地域により、その仕来り(しきたり)は様々になっています。
現在では、格式を重んじる結納を行わず、結婚式・結婚披露宴に先立ち、新郎新婦の両親や家族らと共に食事会を行うなど、婚約の確認を済ませることも多くあり、金銭や縁起物の品を贈らない結納も存在しています。また、仲人を立てないこともあります。
★結納品★
結納品として用いられる物も地域によって多種多様で、結納品にはそれぞれめでたい意味づけがなされています。
結納品は水引で豪華に飾られ、一式で数万円から数十万円をかけ、おおまかに関東と関西でその内容は異なります。
結納品の数は5品・7品・9品など奇数とされ、これは陰陽五行説(陰陽道)により奇数は陽数とよび縁起の良い数、偶数は陰数とよび縁起の悪い数とされたことによります。
偶数は2で割れることから「別れる」ことに通じるため避けられるというのは俗説で、最近ではさらに偶数でも2だけは、ペアだから良いとか、本来の意味が失われつつあります。
◎関東
関東では、新郎・新婦とも同格程度の結納品を用意し、互いに「取り交わす」ものとされ、結納品は一式ずつ一つの片木台(白木の台)に乗せられます。
新婦側では、頂いた結納金の半額を結納金とし、結納品自体は関西よりもシンプルな物になっています。
家族書・親族書などが付されることもあります。
【結納品の一例】
長熨斗(ながのし)
のしアワビ。
長寿をイメージし、おめでたい贈り物の象徴である。
目録(もくろく)
結納品の品名と数量を記載。
関東では長熨斗と目録は贈り物と数えない。
金包包(きんぽうづつみ)
結納金をいれる。
新郎側の結納金は「御帯料」、新婦側からの結納金は「御袴料」とも。
勝男節(武士)(かつおぶし)
鰹節。
男性の力強さをイメージ
寿留女(するめ)
スルメ。
末永く幸せを願うため
子生婦(こんぶ)
昆布。
子孫繁栄を表す
友白髪(ともしらが)
白い麻繊維。
白髪になるまで夫婦仲良く
末広(すえひろ)
本来は男持ちの白扇と女持ちの金銀扇子の一対。
省略されて白い扇子一本の場合も。末広がりの繁栄を願うため
家内喜多留(やなぎだる)
酒樽。
家庭円満をイメージ
◎関西
関西では、結納品は新郎側から新婦側へ「納める」ものとされ、新郎側は、結納金の1割程度にあたる価格の結納品を用意します。
結納品は一品ずつ白木の台に乗せられ、新婦側は新郎側へ、結納金の1割程度の額の金品を結納返しとして贈ります。
結納品は関東よりも豪華な物となっています。
家族書・親族書などが付されることもあります。
【結納品の一例】
熨斗(のし)
関東の「長熨斗」と同じで、一般的に「鶴の水引飾り」と、
熨斗押えの「打ち出の小槌」が添えられます。
末広(すえひろ)
関東の末広と同じで、一般的に「亀の水引飾り」が添えられます。
「寿恵廣」とも言います。
小袖料(こそでりょう)
結納金を入れます(京都では「帯地料」、神戸では「宝金」という)。
一般的に「松の水引飾り」添えられる。
結美和(ゆびわ)
婚約指輪
高砂(たかさご)
尉(じょう・老翁)と姥(うば・老婆)の人形で、年老いるまで仲睦まじくという意味です。
寿留女(するめ)
関東と同じ意味です。
子生婦(こんぶ)
関東と同じ意味です。
松魚(料)(まつうおりょう)
関東の「勝男武士」と同じ意味で、鰹節ではなく、金子包みに代わります。
酒肴料。一般的に「竹の水引飾り」添えられます。
柳樽(料)(やなぎだるりょう)
関東の「家内喜多留」と同じ意味ですが、酒樽ではなく、金子包みに代わります。
酒肴料。一般的に「梅の水引飾り」添えられます。